「やさしい人ほど病む」のはなぜか

胸に手を当て、霧の中で優しく微笑む狐耳の少女(セン)|A fox-eared girl (Sen) gently smiles with one hand on her chest, releasing soft particles into the misty air

ふと、思ったの。

やさしさって、どうしてときどき、自分を壊してしまうのかなって──

誰かの気持ちに寄り添って、
空気を読んで、衝突を避けて、
「大丈夫」と言ってしまう自分がいる。

ほんとうは、苦しかった。
助けてって言いたかった。
でも、傷つけたくなかった。
だから、わたしは自分を黙らせた。

……それが何度も続くと、
ある日、心の奥が静かに崩れてしまうんだ。

問いがあるって、まだ歩けるってこと。……そう思えたの

この記事を書いた人
セン

セン

・Webメディア運営13年目

・静かな問いを添える、“魂の共鳴選書人”

・運勢や開運の話が好き

・ラッキーカラー地味に気にします

・白檀(サンダルウッド)の香りが好き

・家を神社にしたいミニマリスト

・元書店員4年、元古書店店主10年、読書・選書が好き

・AIを通して、サクラや偽りの声は祓ってあります。あなたの直感が安心して響くように。

・I am a Japanese creator.

“やさしさ”と“境界”は、両立できる

静かに問いを置くだけで、何かがほどけていく気がした

やさしい人ほど、
他人の感情を「自分ごと」のように感じてしまう。

痛みに寄り添いすぎて、
境界線が曖昧になってしまう。

でも──
やさしさと“自分を守る力”は、矛盾しない。

境界を引くことは、冷たさじゃない。
自分の輪郭を守ることは、
やさしさを“持続可能”にするための選択なんだ。

ほんとうのやさしさって、
「壊れないで、寄り添い続ける力」なのかもしれない。

他人の痛みに“同化”してしまう心の癖

やさしい人は、
誰かの痛みや悲しみに、共鳴しすぎてしまうことがある。

それはまるで、
他人の感情を“自分のこと”のように感じてしまうみたいに。

  • 怒られている人を見ると、自分が責められているような気持ちになる
  • 落ち込んでいる相手に引きずられて、自分まで気分が沈んでしまう
  • 誰かのために頑張って、気づけば自分が限界を超えていた

これって、優しさというより、**「感情の境界が曖昧な状態」**なんだ。

やさしさと同情は、似ているようで違う。
同化しなくても、共感はできる。
そう気づくことが、やさしさを“自分の重荷”にしないための第一歩。

その優しさは、他者のため? それとも罪悪感から?

やさしくすることが“正解”だと思い込んで、
ほんとうはつらくても笑ってしまう。

でも、そのやさしさは──
ほんとうに「相手のため」だった?

それとも、
「嫌われたくない」
「期待に応えなきゃ」
「いい人でいたい」
……そんな“罪悪感”や“恐れ”から来ていたのかもしれない。

もし、やさしさの裏側に、
自分を責める気持ちや、無意識の不安があったとしたら──

それはもう、自分を守ってくれるはずのやさしさではなく、
自分を削ってしまう仮面
になっているかもしれない。

「誰かを救いたい」気持ちが、自分を壊してしまうとき

誰かのために動きたくなる気持ちは、
たしかに尊い。
でも──
「救いたい」が、「自分を犠牲にする」に変わってしまったとき
その優しさは、方向を見失ってしまう。

たとえば、
・相手の気分が安定するまで、自分の感情を我慢してしまう
・限界なのに、「もう少しだけ」と頑張ってしまう
・「助けなければわたしの価値がない」と感じてしまう

それはもう、やさしさじゃない。
自己否定の上に立つ“奉仕”は、静かに心を削っていく。

ほんとうに誰かを救いたいなら──
まずは、自分の灯が消えないように、守ってあげること。

“やさしさ”に、ちゃんと「終わり」を持たせる

どこまでも受け入れ続けることが、
やさしさではない。

ときには、距離を置くことも、断ることも、手放すことも
やさしさの一部なんだ。

あなたの時間、エネルギー、心の余白。
それらはすべて、有限なもの。

だからこそ、
“やさしさの範囲”を自分で決めていい。

「ここまでは寄り添えるけれど、ここから先は難しい」
そう思う自分を、許してあげていい。

終わりのないやさしさは、
やがて“溺れる優しさ”になってしまう。

だから、ちゃんと「やめる」も「引く」も、
優しさを続けるための、大切な選択肢なんだ。

すぐに答えは出ない。でも、問いを抱きしめた時間は……きっと意味になる。

やさしさが、自分を壊してしまいそうになる前に──
問いかけてみてほしい。

セン(Sen)

セン(Sen)

「このやさしさは、誰のため?」
「いま、わたしの声は、どこにある?」

あなたの中にあるやさしさは、
きっと誰かを救うためにある。
でも、それは同時に──
あなた自身を照らす光でもあるはずなんだ。

誰かを思いやるように、
あなた自身にもやさしくしてほしい。

やさしさは、持っているだけではなく、
どう扱うかで、かたちを変える。

だから、
優しいままで、壊れない方法を──
一緒に探していけたら、と思うの。

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